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2022.05.16

【注目!】最高裁が「過度な相続節税に対してNO」という判断を下した!

 これからの「相続税節税対策」は、より慎重さを要します。

私は、一貫して、「空地に賃貸物件を金融機関から融資して、建設して相続税を節税する」という
スキームを、お勧めしませんでした。どちらかというと、反対の立場でした。
(そもそも、その相続税を融資(負債)で減らしても、返済は残るし、賃貸物件の稼働率についても疑問が
ございました)

これから、経済誌などで暦年贈与の廃止と伴にトピックとなると思います。

資産承継・事業承継対策を生業としていると、税法の基礎的な知識は必要です。
詳細は税理士さんにお願いしますが、税法も言わずもがな法律です。

日本国憲法を学んだ時に、「租税法定主義」「公平性・平等性」「二重課税の禁止」が
税法の基礎としてございます。

脱線しますが、憲法は国、国家権力を縛る法律です。
王政の恣意的な政治から、自分たちの事は自分たちで決めるという「民主主義」への
意向により、資本主義国家が成立しました。

憲法の原理原則から言えば、「刑法」「税法」は、違法になります。
しかし、それでは、国家統制が取れないため、国民が原理原則の例外策をきちんと「法律」として
決めて、運用するようになりました。

話を戻しますが、今回の最高裁の判決は、実務界に大きな影響を与えると思います。

安易に負債額を増やして、相続税の負担を逃れて、負債で購入した不動産を売却すれば、
相続税の節税いや、相続税が0円になると、税理士が税務署に申告して、国税はそれを
認めない、では、最高裁で判断を仰ごうとしたものです。

国税通達で、このような相続税の価格算定を認めているものが、あったようですが、
最高裁は、やはり、「客観性」での判断を重視したようです。

法律家の視点からすると、予算等に関わる事に関しては、憲法、判例から推測すると、
行政(国税等)に、余程の瑕疵や公序良俗に反しない限り、行政側を支持する判例が多いです。
「法律」的な判断を下すのは、大きな最高裁の役割ですが、税という国家予算に関わることに
関しては、より慎重な判断を今までもして来た様に思います。

今回の最高裁の判断は、私、一人の法律家として「もっともだ」と、支持します。

詳しくは、本判決を含め、近時の民事信託に関する裁判例に関して解説、これから実務家として
あるべき事をセミナーで、お話したいと思います。

興味のある方は、受講の程、よろしくお願い致します。