これからは未来信託
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ブログ

2022.05.02

相続税対象ではない不動産オーナーにも切実な問題

 「相続税の節税のために収益マンションを沢山、購入しているんです」

と言う、俗に言う「タワマン節税」が、先日、最高裁で否決(認めない)という判断が下された。
(※詳しくは、またお知らせで挙げます)

「相続税がかからなくて、ホッとした」
という、不動産オーナーさんは、多いです。

果たして、相続税だけを気にされるのは、注意が必要です。

多くの不動産オーナーの方は、不動産管理会社を設立されて、運営されておられます。

実は、その不動産管理会社(株式会社、有限会社)の、株主という地位も相続の対象となります。
また、会社の株価と資本金に繋がりはありません。

会社の株価は、会社保有の資産によって算定されます。

また、収益マンションは、「借り手」が居て成り立つビジネスです。

しかし、少子高齢化、核家族化、高齢者世帯の増加で、「借り手」が見つかりにくい時代です。

「心理的瑕疵」、俗に言う、事故物件となると、市場価格から3割から5割減の家賃又は「借り手」が居なくなり、
収益どころか、赤字しかならないマンションが多くなるでしょう。

Youtubeでは、Googleマップのストリートビューを使用した「事故物件の紹介サイト」や
有名な「大島てる」のサイトには、詳しく紹介されています。

また、大修繕には、これからの円安傾向で資材の高騰によって、修繕費がかかる事は容易に想定できますし、
また、解体費用も建設費用並みに係ることがございます。

「収益マンションで相続税節税」は、二重いや、それ以上のリスクが伴います。

是非とも、早めの対策をお勧め致します。

2022.04.27

【民事信託】信託受益権の複層化で節税できる?

 いまだに、よく税理士さんが「信託受益権の複層化で節税が出来る」と言って、
相続税節税対策‼と拝見しますが、信託法には、「信託受益権の複層化」について触れている条文根拠が
ございません。

前日、お知らせの中で、「令和3年9月17日東京地裁判決」に触れました。

認定事実で「信託法の制定」について、東京地裁は、旧信託法の改正ではなく
新たな法を制定する形式が採られた。(顕著な事実)と、ございました。

よって、過去の旧信託法時代の判例、先例、通達は、もう一度考え直す必要があると
私は述べました。

また、信託法の立法担当者の「逐条解説 信託法」が絶版になり、
手に入れようとも、手に入らず、書籍を読むことすら出来ません。
(国会図書館に問い合わせをしても、常に貸し出し中)

一部の学者さんや、信託法の書籍を書かれている専門家は、注釈に必ず、「逐条解説 信託法」
と記載がありますが、私の様な一般的な専門家は、手にする事が困難です。

その中でも、「信託受益権の複層化」は、かなりのリスクがございます。

法的根拠(信託法条文)がない。
通達があっても、旧信託法に基づき運用されているものである。

世に「節税」と言われますが、これは、リスクが伴う事に注意しなければなりません。

「節税できるか、否か」は、世の制度以外のものでは、有り得ない事と認識した方が
賢明かと思います。

2022.04.27

【民事信託】受託者の業務とは…

 「民事信託、家族信託®で、受託者は何をすれば、いいのですか?」という質問を
受けます。

それは、単純明快です。
何故、どういう目的で受託者に大切な財産を託したか、託した委託者がその財産を今まで
どのように、管理、運用等をしてきたか、を考えれば、自ずと答えはあります。

「受託者の責任義務」について、「善管注意義務」でなければならない、と
日本司法書士会連合会の民事信託推進部?、委員会?プロジェクトチーム?は、
言っておりますが、信託法の条文は、そう書いておりません。

信託法第29条(受託者の注意義務)
受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。
2.受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、
これをしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる
注意をもって、これをするものとする。

そうです、別段の定めが認められており、「自己の財産と同じ責任」に、管理義務責任を軽減できるのです。

勿論、信託行為(契約)で定めておく必要がございますが。

「受託者は、委託者がその財産について行ってきた行為をすれば、良い」のです。
信託に、それ以上もそれ以下も、私はない、と思います。

それが出来るように、「信託専門家」は、きちんと信託行為(契約等)で
決めておく必要がありますね。