これからは未来信託
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ブログ

2020.06.04

「空き家問題」と「野生動物たちの住処」

 新聞の動物行動学の研究者の方が興味深い記事を掲載されておられました。

「人間界の空き家問題によって、野生動物たちの住処がなくなる」

えっ‼と、思いましたが、昨日、東京で鹿が街中を徘徊しているニュースを見て、
「ガッテン」(合点)しました。

数年前から、山間の集落を「限界集落」と呼んで、お年寄りだけで、若者がいなくなり、
将来、住む人間がいなくなる、と言われてきました。(個人的に「限界集落」という言葉は、大嫌いです)
もう既に、無人になった山間の村も存在するそうです。と、同時に空き家の問題が発生します。
この山間で生活されておられた方々のおかげで、人間界と野生動物の住処のいわば「住み分け」が出来ていたそうです。

野生動物たちは、山間部で生活しておられる方々が山の手入れをして下さっていたので、山林が荒れることなく、
山で食料も調達できていたようです。
しかし、無法者が山間部に生活される方々がいなくなると、監視の目もなくなり、産業廃棄物やゴミを山に捨てる様になり、
または、山林開発で自然に反する開発事業をしたため、山間部がますます、荒れ果て、近年の気候変動の大雨により、
山で野生動物たちは、「生活場所」を失ったそうです。

きちんと、山間部の方々が野生動物との人間の共存を知らぬ間に保って下さっていたんですね。

「野生のクマが出没した!鹿が街を徘徊している!」
野生動物からすると、生きるために人里におりて来ざる負えない状況かもしれません。

未だに田を宅地にして、造成して、新築の建物を建てている現状。
これだけ、「空き家」があるのに、活用しようと頭を使わない業者、士業。

せめて、このような状況を「コロナ禍」が、『怪我の功名』として、何か日本の社会に変化をもたらして
くれる事しか、この「コロナ禍」には、救いがないように思います。