これからは未来信託
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2020.01.30

「空き家問題」と「空き家予防対策」

 引き続きになりますが、今でも忘れられないご相談がありました。

叔母さんがお住まいだった町の中心街にある、ご自宅がビルの間に
建っていて何とか倒壊は免れそうだけれども、家の玄関の扉が
潰れて、猫やハトが入ってきている様子である。
また、不審者が生活していた痕跡もあり、早く叔母の家を解体したいので
叔母の代わりに家の解体費用も負担するので、何とかならないか。

という旨を叔母が認知症で、その甥の方が親族後見人で、家庭裁判所
に相談したところ、「居住用不動産だから、それはできない」と
言われ、僕の元に「何とかしてもらえないでしょうか?」という
深刻なご相談でした。

被後見人の居住用(以前に住んでいた)不動産の処分は裁判所の許可
がいる。という民法で条文で決められています。
「許可」=「原則:禁止」です。

さすがに、僕も策はありませんでした。
家の現況の写真付きで、裁判所に申し出たのですが、許可されませんでした。

現況も、ビルの間で何とか建ってます。玄関はベニヤ板で強力に閉じて
週何度か、遠方より、家の状況を観察されているようです。
「予防策」として、民事信託できる状況であれば、その甥の方を受託者として
策はあったのですが。

今の僕の実務の戒めとなっている、ご相談でした。