これからは未来信託
これからは未来信託

ブログ

2021.01.22

司法試験 初の目標割れ 合格者1450人に減少

 『司法試験 初の目標割れ 合格者1450名に減少』
『「法曹離れ」歯止めかからず』

法務省は、2020年の司法試験に1450名が合格したと発表した。
19年より52人少なく、政府目標の「1500名以上」を初めて下回った。

合格者の減少は5年連続。
受験者数は3703人で19年から763人減少。
合格者と同様、5年連続で減少した。

合格率は前年比で5.53ポイント増の39.16%だった。

司法試験合格者は、増加しているが、弁護士需要は伸び悩んでいる。

19年に全国の地方裁判所で新たに起こされた一般的な民事訴訟は、約13万4千件で、
09年(23万5千件)と比べ4割減った。

近年は民間企業で働く企業内弁護士は増えつつあるが、地方の弁護士を中心に
「供給過多だ」との声は少なくない。   以上「令和3年1月21日日経新聞朝刊抜粋」

AIの台頭、少子高齢化による企業の減少等、社会構造の変化によって、司法書士も含め
士業全体で志願者数は減少の一途である。
特に司法試験は顕著である。
社会がアメリカ型の訴訟社会になる事を想定し、法曹人口を増やして弁護士の活躍を
政府は促そうとしたが、事実上、失敗した。
多くの大学が法科大学院を設置したが、一部の有名大学の法科大学院しか、生き残っていない。

では、なぜ、このような結果になったのだろうか。
私の私見であるが、日本人は、裁判所は怖いところ、であるという認識を持った方が多い。
後は、弁護士に依頼すると多額の費用がかかる事である。
弁護士は敷居が高い、というのも一つの大きな理由としてあるだろう。

また、例え、訴訟に勝訴しても、権利救済(お金を取り戻せる)が出来るかは、
別の問題である。

司法書士も登記業務の減少、過払い返還バブル(私は経験していないが)によって、
営業状態は厳しい。

しかし、社会や国民の意見に耳を傾けていると、新たな業務が必要とされているのも
私は実感している。

士業が社会、国民の支えになるはずが、どこかで、自らの歩みを止め、進化することを
嫌っているのではないか、と思う。
未知の業務は、リスクを伴う。
しかし、経験と知恵によって、それを乗り越え、国民、社会に提案出来る士業しか
生き残る事は、不可能だと思う。

様々な分野に目を向け、法律家なら、法律以外に金融、経済、法の歴史に目を傾けて、
そこからヒントを得て、前に進むべきではないだろうか。

答えのある業務はAIに代替されるのは、間違いない。

答えを模索する業務こそが、今、士業が取り組むべき業務であると思う。