これからは未来信託
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2020.08.27

相続に際して始めてわかった、住んでいた大屋敷は、登記されてなかった!

主に登記を扱う法務局という官庁は、比較的新しい官庁です。

商業登記に関しては、かつては、地方法務局の支局の会社の本店管轄単位で登記申請を
扱っていましたが、現在は岡山県などの地方都市では、本局のみが商業登記の申請を扱っております。

それは、やはり、平成18年に実体法の会社法が制定され、各年改正がされており、情報を一か所の
法務局に集約するためと思われます。
また、半ですが、オンライン化も進んでいる現状があるからでしょう。
(「半」とは、申請をオンラインで行い、後に必要な書類を郵送、持参することです)

では、本題ですが、現在、家や建物を建てる際には、金融機関から融資を得て建設するので、
必ず、表題部登記(どんな建物かの現況を登記する、土地家屋調査士さんの業務です)をし、
我々、司法書士が権利部の登記で所有権保存登記をし、金融機関の担保設定登記を申請して、
登記を完了させます。
この建物は、誰が所有権を持ち、担保はどこの金融機関が幾らしているのかが登記記録から
わかります。

しかし、かつて昭和50年代頃でしょうか、家を建てるのは、大工さんが中心でした。
家を建てられる方は、現金でお支払いをしていたそうで、金融機関も関係ありませんでした。
よって、今のような登記申請という発想はなかった、いや、なくても良かったのでしょう。
行政が建築審査の際に、どこにどんな建物が建つか、わかるので、建物の概略で「固定資産台帳」に載せ、
固定資産税を徴収していたようです。
なので、不都合はなかったようです。

司法書士事務所開業当初は、全ての建物は登記されていると思っていましたが、
社会現状がわかるにつれて、「あ~なるほどね」という機会が増えました。

今でこそ、コンプライアンスという言葉が当たり前になる前は、
確か、戸籍でも容易に取得できた時代があったように思います。
開業当初、今でもそうですが、試験に合格しても、その試験内容に答えられた、
ということで、実務について、かつての法律の歴史、変遷も知識として必要です。

「温故知新」とは、よく言われたもので、全てには通用しませんが、
とても参考になります。

かつては「歴史好き」がそこまで役に立つ事は、あまりありませんでしたが、
司法書士実務をするにあたり、良く役に立ってます。