ブログ
2020.07.08
そもそも『相続』とは、何でしょうか?
そもそも『相続』とは、どういうモノ、コトでしょうか?
実は、この質問に即答できる法律家は、少ない様に思います。
正解は、法律用語でいうと、『事実行為』。相続自体は『法律行為(契約等)』ではございません。
人が亡くなった事により、亡くなった方の権利や義務、財産(積極財産、消極財産)が、
亡くなった方の元から離れる事実を言い(故人の権利能力の喪失)、
その権利や義務、財産(積極財産、消極財産)が、刹那に宙に浮いた状態のモノを
誰が引き継ぐか、という現実(事実)を、『相続』と言います。
国によって、制度は違いますが、その制度は『誰が承継するか』を、どのように決めるのかを
法律(民主主義国家が世界では大半ですので)で、決めます。
そこで、はじめて法律が登場します。
社会主義国家では、私有財産制度が認められていないため、
(私人所有が認められていない)、亡くなった方の財産は、直ぐに国家に帰属する、
国もあります。(「生きている間、国から貸与されている」という考え方です)
法律にも、2つの体系があり、『大陸法』と『英米法』があります。
『大陸法』は、ドイツ、フランス、などが採用しております。
『英米法』は、文字どおり、アメリカ、イギリス、シンガポールなどが採用しております。
日本は、というと、『大陸法』中心でした。しかし世界の法律の基準が『大陸法』から『英米法』
に移行する中で、日本でも、『会社法』『一般社団、財団法』もちろん『信託法』という
新しい法律は『英米法』を採用しています。民法債権法の改正も『英米法』の思考を取り入れて
いるようです。
また『大陸法』と『英米法』の違いについて、コメントしたいと思います。
僕は大学時代、ゼミでこの『大陸法』と『英米法』について、ディベイトした事がありました。
当時は、『大陸法』全盛でしたから、民法学者になるなら、『ドイツ語』の履修が必須でした。
まさか、日本で『英米法』体系の法律が施行させるとは、想像もつきませんでした。