これからは未来信託
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ブログ

2020.05.19

「所有者不明」の土地問題

 最近、相続問題、少子高齢化問題、空き家問題と同じく「所有者不明の土地」が
クローズアップされております。様々な研究機関がその面積は、九州と同じ面積に
及ぶとの発表もあります。
では、なぜ、日本では、貴重な財産とされた不動産が、「所有者」が不明なのでしょうか?

これは、日本の地理上の問題もあります。日本は急流の河川の元に平野が広がり、
後は山林です。平野等の人が住みやすい土地は、人口に比べると、ごく僅かな面積しかなく、
海を干拓したり、山林を整地して、人の住める土地にして来ました。

しかし、山林や農村部は、少子高齢化で住人はいなくなり、住む人がいない村落も存在し始めました。

法律上、政治上も問題もあります。
少子高齢化社会が訪れることが判っていながら、施策をしなかった政治の問題もありますし、
法律の相続制度が「法定相続」になると、「株分け」になり、どんどん相続人が増えていく制度に
なっています。また、「法務局」ができた際に、「不動産登記簿」に市町村がもっていた「土地台帳」は、
反映されましたが、「家屋台帳」は反映されず、「未登記」の建物が多いのは、このためでもあるようです。

「相続登記の義務化」を検討しているようですが、どこまでを義務化するのか、今までの未登記相続不動産も
含むのか、その範囲を決めるのも難しい様に思います。
また、国際化した社会において、日本の様な戸籍制度、登記制度を持つ国は稀で、国際結婚された方が相続人に
なられると、また複雑な相続になり、「義務」とはいえ、かなり重圧のある「義務」になりかねません。

その点も考慮して頂き施策をして欲しいものです。
信託をしておけば、最低でも30年先まで、見通せますが。。