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2021.02.22

個人情報保護と不動産登記、商業登記の登記事項との均衡

 不動産登記法の改正で「相続登記の義務化」「所有権者の登記事項の変更登記
(氏名、住所変更)の義務化」
がされます。

不動産登記は、一般の方には、ほぼ人生でマイホームを購入された場合で耳にされるか、
会社の経営や、お仕事で企業法務をされているか、金融関係の方が商業登記のことを
知っていらっしゃるか、ぐらいのことだと思います。

しかし、不動産登記も義務化されることで、国民の皆さまも「知らなかった」
では、済まない、「過料」という行政罰が科せられます。

でも、ここで、疑念が生じます。
これほど、世の中が「個人情報保護」になっているのに、
「不動産登記記録(簿)」は、法務局に手数料を支払えば、容易に見ることができます。
「この不動産は、どこの誰が所有している」と、いうことが判ります。

しかし、かつて発表されていた「高額納税者番付」は、個人情報の保護と、
反社会勢力に情報の提供になる可能性があるのでなくなりました。

不動産登記は現在の「個人の住所、氏名」の公表になりつつありますが、
商業登記は、「会社の代表取締役の住所、氏名」は、利害関係者のみが閲覧できる
ように流れが変わっています。

不動産登記も商業登記も経済活動の円滑化も一つの目的にありますが、
ごく一部の我々といった士業や専門家しか、登記制度を知っていらっしゃらないと
思います。(私も大学生の時に登記を知りました)

この「登記制度」がある国も限られています。

どこまで「個人情報」を保護するのか、経済活動の円滑の要因として、
どこまで「登記の内容」に個人情報を公開するのか、
その均衡を図るべきときではないでしょうか。