これからは未来信託
これからは未来信託

お知らせ

2023.05.01

【民事信託士等の皆さま】本当に貴方の信託契約書は大丈夫ですか?

 認知症リスク対策、俗に言う「資産凍結対策」という財産管理で活用されている民事信託、家族信託®。

信託法の活用が広がる事は、喜ばしい事ですが、実は信託法の理解、近時の裁判例を研鑽せず、
安易に民事信託士等の民間資格を取得しただけで、信託を組成できると勘違いしている司法書士、弁護士が
増えております。

決して、民事信託士等の資格を批判するつもりは、ございません。

信託法は、自由度が高いですが、逐条解説書が事実上、存在しない今、
十二分に活用には、より高度な情報の取得、条文の研鑽、周辺法律(会社法、不動産登記法、民法)
との兼ね合いを研鑽して、実務にあたらないと、ご依頼者様にリスクの伴う、折角、認知症のリスクを
回避するために行った信託契約書なのに、逆にリスクを負ってしまった事例をご紹介致します。

・ご自宅を認知症になっても、お子様が売却できるスキームを組んだ事例です。
委託者は母親、当初受益者も母親。受託者は近くに住む長女。信託の終了原因は、母親の死亡。
2次受益者は、母親の相続人の遺産分割協議で決定する。

よく提案されている事例ですが、かなりのリスクがございます。

まずは、折角、信託法を活用した信託財産にしたにも関わらず、2次受益者について
「遺産分割協議」で信託受益権の取得者を決める。
これは、民法と信託法を混同させた、将来、本当に認められるか、判りません。

信託法に、相続や遺産分割協議などによる決定の仕方は明記されておりません。

しかし、上記の方法は、民事信託士をはじめとする日本司法書士会連合会 民事信託等財産管理業務対策部が
「公明正大」に、書籍やレジュメに記載しております。

また、万が一、2次受益者を決める「遺産分割協議」で、相続人の一人の方が重度の認知症になっていた場合、
認知症リスクの対策として信託法を活用したにも関わらず、遺産共有の状態を解消するため、後見人制度を
活用しなければならないという、本末転倒な話になります。
(そもそも、信託受益権が遺産分割の対象にならないのでは、ないかと私は考えております。
信託財産と相続財産には、違う財産の集合体であり、運用する法律も信託法と民法で全く違います)

このような、困った状態になるのは、民事信託士等や日本司法書士会連合会 民事信託等財産管理業務対策部が、
民事信託を財産管理の手段として重きをおき、実は、資産承継を重視すべき点を見落としているからです。

財産管理の役割もございますが、重要なのは資産承継です。

その使い方、条文、近時の裁判所の判断を研究する事が、民事信託士等の資格取得よりも
重要だと考えます。

信託法は、未来、将来思考で、「生きた法律」です。
ただ、テキストや講義を受けるだけでは、実務は出来ないと断言致します。

より良い、民事信託の普及のために、民事信託士等の皆さま、
「言い争い」というチープな事ではなく、信託法と近時の裁判例を基の「ディスカッション」
致しましょう。
もし、ご覧になられて、ご意見頂ければ幸いです。

岡山県司法書士会司法書士・作家 河合保弘YouTubeセミナー