お知らせ
2023.04.12
「相続登記」の義務化より、大変な民法改正。
「相続登記の義務化」は、大きな日本の法制度の転換期だと言えます。
そもそも、「不動産登記」は、自分の財産を自らの意思で護るために
申請するのが大原則です。
「不動産登記」を申請して、登記記録に登記されていれば、その登記名義人の
方の権利を護る制度です。
「不動産登記」をすれば、法律上、「形式的確定力」「権利推定力」「対抗力」
と言った法的効果を主張することが出来ます。
昨今、コンプライアンスと言う言葉が日常で使われておりますが、
あくまでも「不動産登記」を申請するか、否かは、上記の法的効果を得て、
自らの権利を自らで護るための制度です。
しかし、山林や田畑、ため池等の資産価値のないと思われる不動産については、
わざわざ、「相続登記」まで、費用をかけてしなくてもいい、と言う風潮がございました。
勿論、個人の私有財産なので、国や地方自治体は、なにも出来ませんでした。
2011年の東日本大震災等の度重なる震災により、この「相続登記」未了の不動産が復興の
足を引っ張る形となり、政府を大きく舵を切ったのだと推測は容易です。
「相続登記」をするまでに、多くの作業がございます。
戸籍の収集による相続人の特定。
これは、戸籍法の改正で相続人が最寄りの市区町村役場等に出向けば、
被相続人の出生から死亡まで取得できるような改正が今年には施行される予定です。
これで、戸籍の取得の目途はある程度つきます。
しかし、これからがなかなかの問題がございます。
それが、「遺産分割協議」です。
相続人全員で、誰が、その相続財産をどれだけ取得するのかを話合いをする必要がございます。
(勿論、書面のやりとりで纏まれば大丈夫です)
その上、今月から施行された民法改正によりこの「遺産分割協議」の終期が決まりました。
その期限を過ぎれば、法律が法定相続分を相続人が取得したことになり、
それを前提として、今度は「共有物分割協議」と言う、全く違う次元で話合いを進めなければ、
なりません。
この辺りは、私も最新の書籍等で情報を精査している途中ですが、
今までとは、違う話になるように思います。
「相続」ではなく、「資産承継」と言う概念が、これからは必須になると思います。
「跡は、任せた」では、信頼できる方に想いどおりに承継さえも出来ない時代です。