お知らせ

2022.12.27

【不動産登記・信託目録(民事信託)】司法書士法と依頼者との守秘義務

 不動産登記の信託登記の特に信託目録の記載について、根拠のある書籍は現在、存在しないと
言っても過言ではないかと思います。

不動産登記で信託登記を申請する場合、司法書士が信託目録の記載事項を決めて申請します。

不動産登記法その他の施行規則を探しても、登記官がその記載についての権限を持っている
記載はありません。
すなわち、現行の実務においては、不動産登記法を中心とした法律より司法書士法を軸として、
信託目録の作成に当たらないといけないと考察します。

まず、第一にご依頼者との関係で司法書士は「守秘義務」がございます。

おかしな事に、この「守秘義務違反」を犯している場面を実務上よく拝見します。

信託口口座開設の際に「信託契約書」の提示には、応じても良いと思います。
次の受託者や受益者が誰か把握する必要があるからです。
ここが、相続とは違い、信託契約に基づき、運用されるからです。

ここで、なぜか、金融機関から「委託者等の関係者の戸籍の提出をお願いします」と
言われて、依頼者の了解なく、戸籍を提出するのは、個人情報を勝手に提供している訳ですから、
守秘義務、忠実義務違反になるでしょう。

時々、民事信託を業務にされている司法書士のホームページで「戸籍を金融機関に提出します」
と記載されているのを散見しますが、これは、「司法書士の司法書士法違反」になるおそれがあると
考えます。
そもそも、信託と相続は何ら関係のないことで、金融機関が要求するから、全て正しいと思い込んでいる
司法書士が多すぎるように思います。

信託登記実務でも同じ事は言えます。

信託目録の記載について、「信託契約書の添付」は、幾ら法律を探しても、
要求されていません。

また、信託契約、特に民事信託は、資産の管理、承継と言う極めて高度な個人情報です。
信託目録は登記記録の一部ですので、手数料を支払えば、誰でも取得できます。

その誰でも取得できる信託目録に記載すべき事項は、極めて高度な注意が要求されます。

「公示されないといけない」と言われますが、商事信託という特定多数の利益を追求する信託なら
まだしも、個人の資産について、事細かに、公示する必要はないと考えます。

いわば、遺言書を公示するような事になるので、そもそもプライバシーの侵害にもなるでしょう。

その点を重視しないと、ご依頼者の資産を危険に晒すことになります。

積水ハウスの地面師事件からも伺えるように、暗躍する地面師は数百の不動産を既にターゲットに
しているとも言われております。

司法書士の役割は極めて重要です。

その点を肝に銘じて、不動産登記を始め、信託目録の作成にも
当たらないといけないと思います。

司法書士法の使命規定にあるように、国民の権利保護を十分に考えて
執務をする必要があるのです。

よ・つ・ば親愛信託総合事務所岡山県司法書士会