お知らせ
2022.05.16
【私見】受託者借入・信託内借入で賃貸物件を建設するスキームは、やはり危険!
家族信託®と言われている多くの書籍に「受託者借入・信託内借入による節税スキーム」を
記載している書籍をよく見ます。
令和4年4月19日の最高裁判決によって、「悪質な相続税課税回避策」は、認めない
という判例が出ました。
令和3年9月17日東京地裁判決にも、「現行の信託法は、新たな法律の制定」とありました。
信託法の条文の中には、どこにも「受託者の借り入れた金銭が、当然に信託財産になる」と解釈できる
条文は、ございません。
また、法律上、「当然に」という事象は、滅多にございません。
法律は、意思主義です。
誰かの意思がなく、法律行為が成立することはありません。
(裁判例によっては、解釈上存在しますが)
信託契約をしてまで、受託者が融資を受けて収益不動産等を建設するのは、令和4年4月19日の最高裁判決の
「過度な相続税の節税」に該当するとも考えられます。
信託法上も、税法上も「受託者借入」は、かなり危険なスキームだと考察します。
今一度、よく考えて頂ければ幸いです。