お知らせ
2022.04.15
令和3年9月17日東京地裁判決から事実を読み解く
この裁判例、判例検索システムウエストローで検索頂くと、主文、事実及び理由が掲載されております。
東京地裁の認定事実として重要なのは、信託法の制定については、大正11年法律第62号を全面的かつ抜本的に
改正したもので、立法の形式としても、上記の法律(旧信託法)を改正したものではなく、新たな法を制定する形式が採られた。
と、ございます。
すなわち、現行信託法の運用は、旧信託法(大正11年)の法律とは、違う性質を持つものであるという事、
また、かつての登記先例や国税通達は、通用しない、現行法においては白紙である、と考えられます。
出版されている多くの書籍は、現行信託法ではなく、大正11年の旧信託法を軸とした内容の登記先例や
国税通達、判例を挙げておられますが、現行信託法上も、その認識で実務運営して良いかは、個々の実務家、
専門家が責任を持って判断しないといけないと考えます。
よって、信託専門家は、常に新しい情報を取り入れ、重大な責任を認識した上で、
実務にあたらないといけない、と改めて実感しました。